倒産社長のちまちま株式投資日記

会社を倒産させてしまった社長が少ない資金で投資しながら 日々思うことを書き綴る日記

震災はまぬがれたのに

阪神大震災の時期になるといつも思い出すのが 証券会社で同期だった
Mのことです



高校を卒業して 新入社員で 東京杉並の研修寮に向かう 西武新宿線
(なにもわからないまま 今思えばよく行ったなと思う(笑))
上石神井駅でおりて 向かう途中 いかにも田舎から出てきたと
思われる人が歩いていたので ○○証券の社員の方ですか と
声をかけたのが M との出会いでした


つまり ○○証券でいちばん先に話をしたのが M
その Mとは 赴任地の大阪でも 一緒になり よく 連絡をとってました


彼はなんば支店 寮は浜寺にある寮に入りました
そこで 早速事件を起こします
なんと 寮でボヤ騒ぎを起こし 部屋をまるこげにしてしまったのです
原因はたばこの不始末でした
Mの部屋に遊びに行ったとき めちゃくちゃちらかっていたので
気にはなっていたのですが それにタバコの火が燃え移ったのです


それに 証券マンだったら絶対にとっておかないといけない
証券外務員試験に何度もおちるし 3回目で合格したんだったと思う


そんな Mですが 営業の仕事はかなりできて トップクラスでした
会社を退職してから10年ほどたったとき Mから電話がかかってきて
高卒の同期で集まらないか 同窓会をしようと言ってきて
みんな Mのいる神戸に全国から集まりました


みんなで楽しく飲んで 2次会に行く途中 歩いていると
へー こんなところに消防署があるんか。。。。  て
なんか 妙にその光景がはっきり覚えていたんですよ
その次の年に あの阪神大震災が起きました


地震の火災  火を消そうにも 現場に行けない 水が出ない
どうしようもない無念の思い のちにニュースで消防隊員の方が
語っていました
あの時の二次会の途中 前を通った消防署の隊員の方も労されただろうな
と思いました


MとMの家族は無事で ただ住んでいるマンションが倒壊こそしなかったが
住めなくなり 会社が用意してくれた マンションに移り住んだ


寮でボヤ騒ぎを起こし 未曾有の震災にあい また仕事では
顧客に訴えられ 裁判にまでなり でもいろんな困難を乗り越えてきた M


なのに そんなMが約10年前 あっけなく死んだ
写真撮影途中 きれいな花を撮るために 近くの野山に行き
なんと 撮影途中にがけから落ちて死んだ
早朝だったため 誰にも気づかれなかったそうだ


写真撮影が唯一の趣味で 休みの日は朝早くから撮影に行っていたそうだ
死ぬ二日前まで電話で話していたのに 死んだって聞いたときは
信じられなかった
葬儀では 涙がどんどん出てきて 嗚咽を漏らしてしまうほど
自分自身信じられなかった


あの震災でも死ななかったのに こんなにあっけなく死ぬんだ
本当に人間の命とは はかないものだとつくづくその時に痛感したものでした
震災慰霊のニュースが流れるたびに 毎年思う Mのことでした